言葉

昨日、仙台一の美女のアケミさんからおいしい夏のデザートが届きました。
ん!生きていてよかった瞬間!
それに小さな手紙が添えられていました。アケミさん公開しちゃってごめんなさい。仙台にいたころはお世話になりました。あまりに美しいので初めて会った瞬間に結婚を申し込もうかと思いました。本当に。
アケミさんの実家は震災で有名になった若林区荒浜。
その時のショックで、まだ字を書くのがやっとだそうです。でも仕事も始めたりと少しずつ前に進んできました。

「お便り」というのは、毎月書いているアイラナ通信のことです。 震災後、手紙が来て大変な状況になっていることを知り、せめて少しでも気持ちをほぐしてもらおうと通信を送り始めました。
アケミさんに元気になってもらって、周りの人も元気にしてもらえたらなあなどと考えて続けています。

そして、手紙が届いた昨日の早朝に私の父勝司が4年のガンとの闘病生活の末に亡くなりました。

最後は母と姉と私の家族全員で看取りました。
心拍計がゼロになった時、母は「お父さんの声が聞けなくなっちゃったよ」と、姉は「お父さんありがとうありがとう」と何度も叫んでいました。

私も心の中で「ありがとう」と。
60号を超えた毎月のニュースレターを書けるのは、元は父のおかげです。
小学校6年の時に新聞の読み方を教わりました。それ以来45歳になる今まで毎日欠かさず読み続けています。
しっかりと書かれた言葉と文章を通して、目に見えない人や知らなかった世界と出会える。
父は私の誕生日によく手紙を送ってくれました。温かい歌詞のレコードもくれました。
私と違い、あまり口数は多くなかったけれどもひとつひとつの言葉を大切にしていたと思います。
当店のコンセプトは「一日一笑」。いちにちひとわらいと読みます。
そんな思いで始めたニュースレターも5年を超え、今では遅れると「まだできてないの!」などと怒られるほど成長しました。涙を流して喜んでくれる人もいます。
自虐ネタの爆笑話でも実はけっこう精密に計算して書いていたりするんですよね。気づきましたか?わはは。
そんな爆笑狙いの通信を皆さんとアケミさんにお届けしています。

父が亡くなった数時間後にお手紙が届くなんて、何かあるに違いないと思ってこの文章を書きました。
言葉を大切にするということは、その言葉をつたえる人を大切にすること。これは私の勝手な思いですが、父はそんなことを私に伝えたかったのじゃないかと。
自分なりに丁寧に言葉を紡いできて本当に良かったと思います。
きちんと言葉を語ることで、たとえ違う思想を持っている人とでも信頼をしあえる。
思いやった言葉を交わすことで、さらに信頼を深めることができる。

人は人に傷つき、人は人に救われる。
私は携帯電話ももっていませんし、メールもあまりやりませんが、自分のペースで丁寧な生き方をしてゆきたいと思います。
これからも当店とアイラナ通信を宜しくお願い致します。